■高トリグリセライド血症の発症機序

空腹時の高TG血症はおもにVLDLが増加し、食後の高TG血症はおもにカイロミクロン(CM)の増加 によるものです。VLDLとCMの両方が増加しているタイプもあります。VLDLレムナントあるいはLDLが増加して、 高TG血症に高コレステロール血症を伴ってくるタイプもあります。このタイプには家族性V型高脂血症と呼ばれる疾患があり、 アポE欠損症やアポE2/2遺伝子型を基盤に発症してくることがあります。


VLDLの産生増加は肝臓での脂質合成が亢進したときに見られます。 肝臓へのFFAの取り込み増加、高炭水化物食で脂肪合成亢進が原因となります。 VLDLの異化障害によるVLDLの増加は、LPL活性の低下、アポCUの不足、アポCVの増加などで起こります。 インスリン作用の低下でLPL活性が低下します。したがって、インスリン抵抗性のときに高TG血症を 伴うことが多く見られます。メタボリックシンドロームの高TG血症は、VLDLの産生増加と異化の低下 の両者が関与していると考えられます。

CMの産生増加は、高脂肪食により、小腸でアポB48の生成が増加して起こります。 また、CMの異化障害は、LPL活性の低下、アポCUの不足などで見られます。 原発性高CM血症では、LPL遺伝子、あるいはアポCU遺伝子異常が原因となる場合があります。
食後高TG血症も動脈硬化性疾患のリスクとなる病態であり、予防管理が必要です。 メタボリックシンドロームに伴って認められることもあります。